大学院とは?つらい?修士学生の生活と進学のメリットを紹介

みなさん、こんにちは。華山です。大学を卒業したらどうするか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。進路のことは多少悩んでもしっかりと決めなければなりません。中には大学院進学を考えている人もいます。

そこで今回は、文系の大学院生って何をしているのか詳しく解説します。

大学院とは

まず、大学院とは大学の学部を卒業してから通う学校のことです。一般的に博士課程と呼ばれます。博士課程の中でも博士前期課程と博士後期課程があり、前者を修士課程、後者を博士課程と呼ぶ場合もあります。そのため、大学を卒業したら大学院では修士課程に在籍することとなります。

大学院入学のための院試

内部受験

学部時代に通っていた学校の大学院に進学する人もいれば、他の学校の大学院に進学する人もいます。いわゆる内部進学の場合は、筆記試験を受けることなく面接や所属ゼミの先生による推薦などによって合格するパターンが多いです。

極端な話、よい成績を取っていれば勉強する必要がありません。

外部受験

一方で、自分の学校の大学院に学びたい専門分野がない場合や、今の学校より上のレベルの大学院に行きたい場合は外部受験することになります。

後者は、学歴ロンダリングとも呼ばれます。大学院に偏差値はなく、普通はどの教授に付きたいかで選ぶのでブランドで選ぶ人はよく後悔します。

就活でロンダリング目的は簡単に見つかり、ロンダリング先の大学院に内部進学してきた、自分よりレベルが上の人についていけないこともあります。注意すべきです。

入試はどんな感じ?

入学試験は、まず筆記試験があります。これは学部1、2年のときに受けた専門分野の基礎科目の期末テストレベルです。研究を行う上で、基本的な知識があるかどうかを見極めます。大学の図書館にある教科書を読み込めばだいたい合格します。

そして、2次試験が面接です。大学院に入学してからどんな研究がやりたいか、2年間の研究計画を面接で聞かれます。型式は学校によってさまざまでプレゼンを課す学校もあります。

大雑把に予定をまとめるのではなく、しっかり準備しておかなければ面接でめちゃくちゃ突っ込まれます。自分が言ったことに対して「なぜ」という質問が飛んでくるので、それを適切にディフェンスできなければ不合格です。

そのため、筆記試験がどんなによくても面接が悪く悪かったら落とされてしまいます。ほとんどの大学院入試が筆記試験と面接なので、併願しやすいです。しっかりと対策を心がけましょう。

1次試験:筆記試験
2次試験:面接、面接が重要!!!

院生の生活

晴れて入学しても、待ち構えているのは厳しい日々です。大学院生の生活は学部時代とは比べ物にならないくらい学校が忙しくなります。

授業はどういう感じなのか

学部の時は講義をなんとなく受けて、テスト前に勉強すれば単位が取れますが大学院ではそうは行きません。学校にもよりますが、大学院はクラスの人数が10人以下で先生とマンツーマンになる講義もあります。

毎週必ず出席することは当たり前ですが、それに加えて毎回講義の度に膨大な量の課題が出されて講義中も文献講読とプレゼンを行うことになります。

よく言われるのが、学部の時は授業とゼミの割合が9:1だったのに対して、大学院では1:9になることです。毎週1つだけ発表があればいいのですが、週に何回も発表が重なることがあって、地獄になります。

特に大学院レベルの授業では日本語ではなく英語文献を扱うこともあるので、語学力がなければ単位を取ることもできません。

クラスは少人数で、毎回発表がある。語学力も必須。

卒業の要件

そして、大体2年間で32単位を修得することが目標になります。学部で32単位と言うとちょっと厳しいところの1年の進学要件になりますが、大学院の場合は1単位の重みが違うのでかなりハードです。

また、その32単位に加えて、修士論文の提出が求められます。修士論文の内容は人によってそれぞれです。卒業論文のテーマをさらに発展させたものから、学部とは全く違う内容で論文を書いている人もいます。

よく言われる卒論と修論の違いは、新規性があるかどうかです。他にもきちんと先行研究を追えていることなどが求められます。博士論文だと1冊の本にできるような世界で最先端の研究をしなければなりません。

修論はそこまで求められませんが、やはり卒論以上のものを2年間かけて書くことを求められます。

約32単位を取って修士論文を出す必要がある!

修士論文はどうやって書くの

修士論文は大学に入学してから、指導教員と呼ばれる論文を指導してくれる先生と共に一緒に進めていきます。1ヶ月に1回ぐらい指導教員と面談して論文を進めていくことになります。

図書館などで学術的な本を読み漁って先行研究を調べる日々です。また、大学院入試試験と同じように卒業試験として修士論文の内容についても口頭試験があるので自分が書いた内容と「なぜ」という質問に対してちゃんと受け答えできるようにしなければなりません。

大学院の修士課程に進むメリット

では、なぜそこまでして修士課程に進むのでしょうか。特に文系の大学院は出るだけ無駄と言われます。年齢が高くなるだけで、就職難になるのであまりいい評判は聞きません。実はそこまでして大学院に進学する理由は3つあります。

時間ができる

1つ目に時間を作れることです。他の人達より2年間社会人として働く期間を先延ばしにすることができるので、その時間をインプットの時間として有効活用することができます。

修士論文に関する知識を習得することは大事ですが、他にもインターンや留学など社会人になるとなかなか経験できないことができます。

また、現在では働き方改革や副業も叫ばれている人生100年時代なので、大学院生時代に死ぬまでお金を稼ぎ出すことができるシステムやスキルを身につけるべきです。社会人になると、まとまった時間は取れないので大学院生の間に集中して取り組むことができます。

専門性が身に付く

2つ目に専門性がついて周りと差別化できることです。

おそらくほとんどの人は大学院まで進学しません。4年生の大学を卒業して就職活動をして社会人になります。その人たちの中には、どう頑張っても勝てないような人がいます。この人たちになんとか勝とうと思うと、同じフィールドで勝とうとしてはいけません。

彼らがやってないことを追求すれば、オンリーワンでナンバーワンになれるのです。

 

そうなるための一番簡単な方法が大学院に進学することです。博士課程まで行くと、覚悟と運が必要ですが、良くも悪くも修士卒は周りと違うので希少価値が高くなります。学部卒の人より、自分の卒論のテーマや学科の専攻の知識は深いです。

大学を卒業してから10年ぐらい経って大学院に進学する社会人が一定数いることを考えると、大学院に進学することはある程度社会で認められている専門性を手に入れるということです。

海外就職には修士号が必要

3つ目に修士号が取れるということです。これは日本国内だとあまり価値がないかもしれませんが、もし今後海外で就職しようと考えている人にとって修士号は必須になるかもしれません。

たとえば、中国に就職する場合でも学部卒の人と修士卒の人では修士卒の方がビザが取りやすいです。学歴ではなく学位で評価されるので学士号と修士号では違いが海外では明確に分かれています。

余談ですが、欧米の企業などになると、博士は企業のトップクラスで、修士は管理職、学士だと一般的な社員というように学位できっちり分かれています。少し日本だと状況は変わりますが、今後海外に出てグローバルに活躍したいという人は修士号を持っていて損はないです。

まとめ

今回は大学院に進学するための入試や院生の生活、修士のメリットについてご紹介しました。個人的には修士のメリットは卒業したらすぐ目に見える状態で現れるものではないと思っています。

卒業後の数十年後にメリットを受けるように、一生物の資格ですのであとから返ってくるモノだと思っています。

もし、大学院に入学しようか悩んでいる人がいるならば、この記事を参考にしていただければ嬉しいです。大学院生活は楽ではありませんが、きっと有意義になると思います。